インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザーの車が故障した(1990年前半の話)

今回はバスケ仲間の車いすユーザーの話。
北陸でのバスケの試合を終え北陸自動車道を愛知県に向けて進んでいました。
助手席には同じくバスケ仲間の友人 、遠征の時は行き帰り乗り合わせが基本です。
米原ジャンクションを過ぎ名神に入ると車の数も増えてきます。
右車線を時速90 km ぐらいの速度で流れていくと、突然エンジンが不調になり速度が落ちてきました。いくらアクセルを開けても反応せず惰性で進んでいるような状態、慌ててハザードを出し左車線を追い越していく車に気を付けながら少しずつ左へ寄せていきなんとか路肩に車を止めました。
とはいえドアのすぐ横を時速80km ぐらいの速度でひっきりなしに車が通り、その衝撃で止まっている車もガタガタ揺れてます。
助手席外側は すぐガードレール、車椅子を外に出すことなど不可能。
途方に暮れる中、窓を開けそこからタオルを出し降り始めると、一台の欧州車が路肩に止まり50代くらいの女性が車から降りて近づいてきてくれました。
助手席の窓を開け事情を説明すると、その女性は車に戻りショルダーホン(平野ノラが持ってるあれ)を取り出し電話しています。
電話を終え再度友人の車まで来てくれた女性は、道路公団(現NEXCO )に連絡した事、ロードサービスが向かっていることを友人に伝えた後、颯爽と走り去っていきました。
友人によるとまさに天使が現れたようで名前や連絡先を聞けなかった事が悔やまれるそうです。
ちなみに車が止まってしまった原因は、排気管に穴が開きその熱で燃料噴射装置が誤作動したそうで、しばらく止まって温度が下がれば普通に走れたそうです。
しかし生きた心地のしなかった友人はそれからすぐに10数万円出して携帯電話を購入しました(ジャイアント馬場が宣伝していたツーフィンガー携帯)。
90年代前半の話です 。
平常時の暮らしが便利で快適になってきているからこそ、非常時の危機管理をそなえておくことは重要ですね。

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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