コラム

街・道路の段差等車椅子からの風景

車椅子ユーザー ディーさんのコラム(10) 坂だらけの動物園

動物園と言えばフラットなイメージはありません。
それなりの広さの敷地が必要になる施設なので土地代を抑えるためにも丘陵地に作ることになるのでしょうか。
車椅子ユーザになってまもなくの頃、名古屋市の東山動物園に行った時は、そのアップダウンの多さに、二度と動物園には行かないと誓ったほどです。
それから10数年経った頃、北海道旭川市の旭山動物園がそれまでの「形態展示」から
「行動展示」に切り替え入園者数が上野動物園を超えたと話題になっていました。
空を飛ぶように泳ぐペンギン、ホッキョクグマのダイブ、見てみたい!
その後車椅子バスケの関係で札幌へ行く機会があったので旭川まで足を伸ばすことにしました。
事前に調べてみると旭山動物園はその名の通り山の斜面にあるらしい。東山動物園の悪夢が頭をよぎるも覚悟を決めて旭川駅からタクシーに乗り込みました。「旭山動物園まで」と運転手さんに伝えると
「普通は正門入り口に向かうけど車椅子なら東門まで行った方が良い」とアドバイスをもらいました。
どうやら正門は山のふもと、東門は動物園の1番高いところにあるらしい。
東門に到着してみると入り口としてはこじんまりしているけれど、確かに園内全体を見下ろすてっぺんです。僕たちは入り口でもらった案内図を手に綿密な下りルートを計画し、雪豹の肉球を含め、お目当ての動物を全て見ることができました。そして閉園の時刻が迫り人もまばらになった正門まで下山すると帰りの予定時刻を伝えておいた運転手さんが笑顔で待っていてくれました。
上り坂も視点を変えれば下り坂なんだと当たり前のことに気づく貴重な体験でした。

ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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