ワークショップで行うフィールドワークの中で参加者の方から様々な質問を受けます。この質問が僕の障害者としての固定観念を揉みほぐしてもくれるので毎回楽しみです。
「階段しかないと大変ですよね」
「お店の入口の段差、不便ですよね」
まあ不便は不便ですけれど、今は街の中もかなり整備されているので
階段しかなければ他を当たればいいわけで、回避できる不便ともいえます。
それよりも、家の中の微妙な不便が地味に大変だったりします。
例えば、レンジで温めるパックご飯、皆さんならレンジの中からどうやって取り出しますか?
おそらくパックのフチを両手で持って取り出すのではないでしょうか。
以前のコラムでも書きましたが僕の場合、腹筋が使えないので上半身を支えることが出来ず、両手を前に伸ばすと身体が前方に倒れてしまいます。なので温め終わったパックご飯は、左手は車椅子を持って身体を支え、右手でパックを持ち、アチチチッとテーブルの上に放り投げる、といった感じです、笑。
コンビニ弁当などを温めた時は、どこを持つと耐えられそうかよく見て、あとはガマンして持つ。機会があれば一度片手で取り出すのをチャレンジしてみてください。
もうひとつ微妙な不便を。
手洗いで使うボトルタイプのハンドソープ、これも普通ならボトルのノズルの下に手のひらを伸ばし逆の手でボトルの頭を押さえて手に取る。僕の場合は先ほどと同じ理由で片手で何とかします。
手のひらをノズルの下に伸ばすのは同じですが、同じ手の親指でノズルの頭を押さえる。これ、ちょっとコツが必要。
先日、画期的な製品が家にやってきました。それは花王の泡スタンプ。
ボトルの頭に皿状の部分があり、それを手で押さえると泡状の洗剤が花びらの形で手にくっつきます。これなら力加減を間違えても洗剤が飛び散ったりボトルを倒したりすることもありません。もう今までのハンドソープには戻れない。
ちょっとしたアイデアでグッと快適になる、パックご飯ももっといい方法あるかな。
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ディーさん
脊椎損傷、車椅子運転歴36年
車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。