三十年以上前なので昔話になりますが能登和倉温泉に行きました
三週間ほど休み無く続いていた仕事が片付きようやくの休み こんな時は そうだ温泉へ行こう!
温泉といえば旅館 今でこそ旅館にもユニバーサルルームは増えましたが 当時の旅館は車椅子との相性は微妙 インターネットも普及していないので 本屋でおもな温泉地を旅のガイド本で調べて和倉温泉に車椅子対応の部屋がある旅館を見つけました 電話で確認すると大丈夫とのことなので そのまま予約
宿泊当日は昼頃に車で出発して夕方5時過ぎに到着 入口のスロープを上がり部屋に通されると入口には上がり框(かまち)がありますが脇に電動の昇降機があって、お風呂もトイレも車椅子対応 しかし部屋は和室で中央に大きな座卓があります これはおそらく食事のあと布団が敷かれるのだろうな 当時は今よりだいぶ身軽だったので まぁなんとかなるだろうと 仲居さんの案内を一通り聞いて心付けを渡して(ガイド本に書いてあったので 笑) 車椅子でも入れるという露天風呂へ向かいました
渡り廊下の先にある露天風呂 浴槽の脇まで車椅子でも問題なく行けました 時刻は夕方6時頃で食事時だからなのか他にお客さんはいなくて貸切状態 浴槽は床と同じ高さなので一度床に降りて手すりにつかまりながら浴槽のふちに腰掛けます 浴槽を覗き込むと中に一段あったので するりと湯に入り中の段に腰掛けるとお湯から肩が出る程度で なかなか良い感じ 海と空と能登島を眺めながら露天風呂を満喫 ふぅーと息をついて両手でお湯をすくい顔にかけようとしたその時 バランスを崩して腰掛けていた段から滑り落ち浴槽の底へ沈んでしまいました うえを見ると50cm程上に水面が揺れています あっ 死ぬかもと思いつつ視線を横にずらすとさっきまで掴まっていた手すりがあります 手を延ばしたら なんとか掴めたので先程の段に座り直す事ができ 手すりにしがみつきながら呼吸を整えてから そそくさと浴槽から這い出ました
汗を流すどころか冷や汗をかいて部家に戻ると
大きめの座卓いっぱいの夕食を仲居さんが準備してくれていました
お風呂で溺れかけたのは秘密です
油断大敵 いくら設備が整っていたとしても車椅子ユーザーが一人で露天風呂に入るのは危険 と学びました 汗