これからの時代を生き抜いていくために知っておいた方が良い世の中の変化についてお伝えする2回目です。
VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)の時代と言われる現代において、変化の速度は早くなっており、未来予測も困難になっています。原因はいくつか考えられますが、ひとつはグローバルに情報や経済の相互影響が及ぶ速度が早くなっていることです。これが政治・経済を含めた国際情勢の動きを早め、予測を難しくしています。2008年のリーマンショック、2020年に始まるコロナ禍など、世界に大きな影響を与える予測困難な事象が突発的に起こっています。こういったことは、実は今に始まったことではなく、第一次世界大戦の引き金になったのが1914年のサラエボ事件であったり、1918年から流行したスペイン風邪が世界中の1億人以上の死亡をもたらした、など不確定な時代変化は歴史上頻発しています。詳しくはマーク・ブキャナン著「歴史は「べき乗」で動く」に書かれていますので、ご興味ある方はお読みください※。こういった突発的な変化が、人・モノ・情報の動きが早くなっているため、局所で生じたことがほんのわずかな時間で世界中に影響を及ぼすようになってきています。より早く大きく影響を及ぼすようになったとも言えます。
コロナ禍によって港湾労働者の感染がおき、労働力が不足、これがコンテナ船の港湾滞留時間を長くしてしまい、ひいてはコンテナの逼迫を生み世界中の物流の停滞を招く、といったことも起こっています。国内市場のみでビジネスを行なっていてもこの影響から逃れるのは困難です。加えて温暖化に起因する気候変動も激しさを増しており、自然災害も増加しており、農林水産業への影響だけでなく、ビジネスにも大きな影響を与えています。
この変化が早く激しくなっている現代においてビジネスの世界で生き抜いていくためにはこの変化に対応していくことが必須になります。予測困難な未来に対し、どのように対応すれば良いか、とても難しいことのように感じるかもしれませんが、変化の流れを捉え、変化をチャンスに変える、変化を恐れず、自らが変化する時、そこに必ずイノベーションが生じます。大きく飛躍する契機にもなります。インテルの名経営者アンドリュー・S・グローブの言葉を紹介します。
「経営者であれば、どんなに詳細な事業計画をもってしても変化を予測することは不可能だと認識しなくてはならない。しかし、だからといって事業計画が必要ないわけではない。”消防署の事業計画”とでもいうべきものが必要なのである。つまり、次の火災がどこで発生するかは予測不可能だから、不測の自体に対しても通常の業務と同じように対応できるだけの、精力的かつ効率的なチームを編成しなければならないということだ」※。インテル自身、主力事業だったメモリ事業が1980年代に日本企業による安価な高品質製品の猛攻により侵食され、マイクロプロセッサ事業者へと大きな転換を決断しています。 その後のWindows-Intel連合の繁栄はご存知の通りです。
例えば、自動車業界では、気候変動、世界的な高齢化、資源の枯渇への対応としてEV化とCASE(Connected、Autonomous(自動運転)、Shared & Services)によってこれを克服しようとしています。自由な移動という要求に応えつつ、こういった環境変化に具体的にどんな答えを出すのか、模索が続いています。ここでイニシアチブを取れるか、流れを作れるかが勝負になりますね。
では、どうすれば変化の波を捉えて好機に変えていけるのか、予測困難な中でどのようにプランを立てれば良いのか、まさにサーフィンのように変化の波を捉えながら飛躍につなげていくイメージです。みなさんも一緒に考えてみませんか?
※マーク・ブキャナン著 水谷淳訳 歴史は「べき乗則」で動く―種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 ハヤカワ文庫
※アンドリュー・S・グローブ著 佐々木かおり訳 パラノイアだけが生き残る 日経BP社
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IDSのよこすかです。
だれにでもイノベーションは起こせると思っています。
そのために必要な知識やスキルをできるだけわかりやすく
お伝えしたいと思っています。
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