複数の要素がからんだ課題を解決したい、従来にない新しい価値を創造したい、こういったことにデザイン思考は適しています。社会課題、経営課題の解決、組織改革、新規事業、新商品・サービスの開発などがこれに当たります。
逆に、最初から明確に問題定義できる課題に対しては、あまり適していません。例えば、自動車の燃費を世界一にする、など、明確な数値目標設定が可能で物理法則に従う世界であれば、論理的思考の方が短期間で成果を出せます。
予測が困難なことに対し、予測精度を上げるのではなく、”創りたい世界観”をデザインすることで具体化し、実行する、課題を解決する。これがデザイン思考です。
デザイン思考を上手に使いこなし、成果を上げるためには、協働するメンバーの選定、スキル、頭の使い方など工夫が必要です。プロセスだけ学んで実施しても成功に導くことは困難です。直感と閃き重視で進めるために、こういった配慮が不十分なまま行うと、単なる思いつきの羅列に陥り易くなります。こうならないために何が必要なのか、考えてみたいと思います。