インクルーシブコラム

インクルーシブデザイン&デザイン思考

デザイン思考を創造の力にするために(6)【デザイン思考は古いのか?】

デザイン思考はあくまでもツールです。使いこなせば大きな成果が得られることは間違いありません。実際、スタンフォード大学のd-scoolでは今でも社会人を含めた多くの人が活用できるようになるために学んでいますし、IDEOでも使われつづけています。

共感→問題定義→アイディア→プロトタイプ→テスト。このプロセスは社会課題の解決や組織改革から商品・サービスの開発など様々な場面で王道とも言えるもので、デザイン思考以外でも一般的につかわれています。具体的にそれぞれをどのように行い、隘路に陥るのを防ぎ、成果を最大にする、この方法論としてデザイン思考は考えられています。

例えば現場のインタビューが不十分な状態で組織改革を行うと、”なぜその課題が生じているのか””なぜ今の組織で停滞するのか”真の理由の理解不足のまま進めることとなり、問題定義が本質を外れてしまい、結果的に変えただけの実効のないものになりかねません。社会課題の解決や商品・サービスの開発も同様で、ユーザー不在のものになってしまいます。

共感をもとに、問題定義がしっかりとできていれば、アイディアをブルースカイ(実現の可能性を考えずに制限なし)で考えることで、今まで解決困難と思っていた課題や、思いもつかなかった新たなアイディアを生み出すことができます。

直感やひらめきを重視するのも、それまで論理思考では難しかった課題に解決方法をもたらすためです。これは単なる思いつきではありません。共感をもとに、環境制約を考慮した上で定義された問題に対して、直感やひらめきを駆使して今まで思いもしなかった異質なものを結びつけアイディアを紡ぎ出す、これがデザイン思考です。

もちろん、簡単に優良なアイディアが出るとは限りません。必要なところまで戻りながらプロセスを繰り返し、精度を上げていく必要があります。とにかく質より量で、数多くアイディアを出し、斬新さと課題解決のレベルの高いものをテストで選びすぐることが重要です。

例えば、ガラケーが短期間でスマートフォンに席巻されたように、スマートフォン以上にユーザー価値を捉えたものが出てくれば、また、世界が変わると思います。正解はありません。どれだけ高いレベルで課題を解決できるか、価値を創造できるかが大切です。そのために想像力と創造力を総動員してアイディアを星の数ほど出して選びとる、これが大切です。

従来解決が困難であったテーマについて、デザイン思考の効果を最大限にできるように環境を整えて実施すれば、古い、新しい、ではなく、本質的に有効なツールであることが体感できると思います。友達や仲間と小さく初めてみるのも良いと思います。慣れている仲間がいると、デザイン思考を進める上で大きな力になりますので、ぜひ。

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