インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザー”迷宮の”お寿司屋さんへ

迷宮のお寿司屋さんへ行くことに


先日、 オンライン用のフィールドワーク動画を同じリードユーザーのジオングと一緒に撮影しました 。
今回はその撮影後の話。
のんほいパーク、豊橋カレーうどん、路面電車など撮影を終えて豊橋駅に戻ったのが午後3時。
そこで井坂さん、高山さんとは別れ、ジオングと振り返りという名のちょい飲み会をすることに 。
豊橋駅のフロアガイドを見ると1階に寿司屋発見!しかも同じフロアに車椅子トイレもある。早速エレベーターへ移動、小さなエレベーターだったので先にジオングが乗り込む。まもなく戻ってきたエレベーターの扉が開くとジオングが乗ってる?
「このエレベーター1階には止まりません」
これが迷宮を彷徨うスタートの合図でした。

ルート探索1
建物の外にあったエレベーターで1階に行ってみよう。先ほど 降りたスロープを上がり、路面電車を降りた時に使った2階デッキのエレベーターに戻り再び1階へ。
すると駅前ロータリーにありがちな出島になってて道路の向こうには渡れない。

ルート探索2
建物内のエレベーターで地下1階に行き、別のエレベーターに乗り換えるのかも。
2階デッキに戻りさっきのスロープを下り 建物内のエレベーターに戻る。一台ずつ乗って地下一階へ移動。しかし地下には一階へつながる新たなエレベーターはなかった。

ルート探索3
地下1階の通路に出てウロウロすると エレベーター発見。
なんとなく不安を抱えつつも一階のボタンを押し移動。扉が開き外に出てみると、この景色はさっきの 出島。

ルート探索4
二人でゲラゲラ笑いながら2階デッキに戻り、このデッキのどこかに隠されたエレベーターがあるのかも、とウロウロするも見つからない。「 デッキの向こう側にあるエレベーターで地上に降りてぐるっと迂回するんじゃないか 」
ジオングのこの提案は体力の残量的に却下。

ルート探索5
迷った時はスタート地点に戻る。何度通ったかわからないスロープを下り建物内のフロアガイドマップの前へ。穴の開くほどマップを見ても エスカレーターはあってもやっぱりエレベーターはない。
1階へは車椅子ではいけないのかもと思うも、1階には車椅子トイレのマークもある。うーむ。

こうなったら少し悔しいけどサービスカウンターだ。
宝くじ売り場?なサービスカウンターで「一階へ行きたいんですけど」と尋ねると
「一度外に出てスロープを上りまっすぐ進むと右側にエレベーターがあります」
なんとあの何度も上がったり下がったりしたスロープの先にエレベーターがあるなんて !
少々を疑いを持ちつつスロープの元へ移動。スロープの入り口には確かに『エレベーター ⇒』の表示。
そこでハッと気づいた。建物からスロープに向かうと、まず階段が目に入りその先に何度も乗ったエレベーターが見える。でスロープはつづら折りになっていて無意識に先ほど目に入ったエレベーターに向かってスロープを折り返していた。 けれど実は直進もできるスロープだった。
なんと見事な心理的トラップ!
何度も上がったスロープを心踊らせながら初めて直進。その先にはひっそりと佇むエレベーター!!
これは建物入り口からは完璧に隠されている。
彷徨い始めてから1時間、ようやくゴールにたどり着い た二人は、みっちり飲んだくれ、じゃなくて反省会しました。
この放浪記、撮影してたらこちらがメインになってたな。

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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