インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

全盲にとって自動販売機で買うということは?

障害をもった人をとおして社会課題への気づきを

インクルーシブデザイン・ソリューションズでは、障がいがありながら自立した生活を送っているリードユーザと協働することによって、さまざまな社会課題への気づきを誘い、イノベーションに導く、課題解決のレベルアップなどのサポートを行なっています。ここで、気づきを増やし、視点を拡大するためには観察の仕方や、気持ちの察し方のスキルが必要です。リードユーザのエピソードからどんな視点が必要なのか例をお示ししたいと思います。みなさんも是非考えながら、感じながらお読みいただき、視点を拡大していただければと思います。

全盲の人って自動販売機をどうやって使うの?

全く目の見えない方が自動販売機で飲み物買う時、ってどうするか想像できますか?
さわりながらボタンの位置を探すことはできますね? ではどうやって買いたいものを選ぶのでしょう。

自動販売機に対する発想がまったく違う

”わたしにとって、自動販売機はロシアンルーレットですね。ボタンを押して、何がでてくるのかわくわくするんですよ”とキャスバルさん。
”コーヒーあたれ!とか思ってコーヒーっぽいの出てきてよろこんでたらお汁粉だったりして。この時は流石にブラックコーヒー飲みたいのに何このあまいの、ってなりましたけど。” ”同じ販売機で買っていると自分の中にデータが蓄積されて、ここは水だったな、こっちはお茶だった、とか。覚えたころには季節が変わって置き場所が変わってしまったりもしますが。” ”欲しいものを買いたいならコンビニで店員さんにお願いすれば良いんですよね。でも、何が出てくるかわくわくするのって楽しいじゃないですか。” 飲みたいものを選べない不便を嘆くのではなく、その状況を楽しんでいる、とても前向きですね。
 不便をなくすのではなく、楽しんでしまう。みなさんも同じようなことをしていませんか?たとえば趣味の世界。登山、キャンプ、サイクリング、マラソンやものづくりなど、見方を変えると不便を楽しんでいるとも言えると思います。エネルギーや資源の枯渇など、環境制約が予想される未来において、この不便を楽しむアイディアが新たな事業のヒントになるかもしれませんね。

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全盲のキャスバルさん



キャスバルです。中途で光を失いました。
料理が好きです。
音楽配信をやっています。
見えないからこそ見えてくるものがあると思います。
そんなことをお伝えできればと思います。

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