インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザーの必需品?

少し前のこと。
ベッドのフチに座って着替えている時バランスを崩して倒れそうになりベッドに手をつきました。
バキっ!とイヤな音、スマホかタブレットでも割ってしまったのかと焦りましたが「孫の手」が折れた音でした。ひと安心とはならず愛用の孫の手だったので、それなりにショック。我が家には各部屋に1~2本、計5本の孫の手があります。そして、車にも後部座席とトランク合わせて2本乗ってます。
そんなに何に使うのかといえば背中を掻くためだけではなく、少し離れた所にあるもの引き寄せたり押したり です。
たとえば、食事中 箸を落としてテーブルの下に転がってしまった!健常者ならしゃがんでテーブルの下に軽く潜って拾えるでしょう。車椅子ではなかなか厳しい。
家の中には、車椅子では手の届かない場所がいっぱい
テーブルの奥に置いてある調味料、トイレの棚にあるトイレットペーパー、カーテンを吊るすフックがなんか引っ掛かってる、冷蔵庫の奥に行ってしまった海苔の佃煮、なぜか部屋の角に転がって行ってしまった乾電池、助手席の足元に落ちてしまったペットボトル。数えあげればキリがありません。
そんな時、活躍するのが孫の手特別なものでなくていいんです、竹製のごくごく普通の孫の手。いろいろ試してはみた結果です。
掴めた方がよいかとマジックハンド的な物、取りたい物が大きすぎても小さすぎても取れない。
より離れた所に有るもの用にとモップの柄的な物、一番頻度の高い微妙な距離の時とても使いにくい。
重さ、長さ、強度、ベストマッチが孫の手なのです(あくまでも個人の感想ですが)。
孫の手、買うなら何処?というわけで、百円ショップへ行ってみると、あるにはあるけど持ち手の部分にゴムのゴルフボールみたいなのが付いているんです。コレ邪魔!(個人の経験上の感想)。
その後、何件かの百円ショップを回るも全てゴルフボール付き。結局、ネットで買いました 送料込みで約1000円。高いなあと思いつつ、無いとなるといつもより背中も痒くなるのです。
数日して届いた荷物の大袈裟な梱包をほどくと、出てきましたシンプル イズ ベストな孫の手、先ずは背中を掻いて、意味もなくベッドの上のテレビのリモコンを押したり引き寄せたり。なんでもない日常の幸せが帰ってきました。
荷物の中にもうひとつ小さな包み、開けてみると昔のラジオのアンテナみたいに伸び縮みする孫の手!以前、どこかのサービスエリアで見たことがあるような気がするけれど、強度的に不安で買わなかった物。こんなもの使い物にならないと思っていたけれど、試しに持ち歩いてみると駅の券売機でキップや小銭を落とした時など意外と便利。もちろん背中も掻きます(笑)。

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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