インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザーがホテルに泊まってみた

ホテルに泊まる際、以前は一般の部屋に泊まってもそれなりに過ごせていましたが、最近は体力低下と体重増加の影響でユニバーサルルームを予約しています。
先日泊まった某ホテルのユニバーサルルームですが、トイレとバスタブ一体ですが十分な広さがあって使いやすい。タオルが置いてある棚は手の届く高さになっていて配慮されています。ハンガーが壁に掛かっているのですが通常の高さで、頑張ってなんとか手が届きました。

それよりも厳しかったのがベッド。写真では分かりにくいですが、床からの高さが約60cmでなかなか高い。過去一の高さかも。
なんとか根性で車椅子からベッドに移りましたが、フチに座ると足は床には届かずプラプラ。
僕の場合、胸から下が麻痺していて腹筋が使えなく体幹バランスが無いので足が床に着いていないと座っている姿勢を保つのも苦しい。苦しみながらも足をベッドの上に引き上げて、チャレンジから30分以上過ぎてようやく眠りにつくことができました。

翌朝、ベッドから車椅子に移るのは更なる苦労が。
ベッドのフチに座った状態で車椅子に手を伸ばしても5cmほど届かない。5cmくらい、と思うかもしれませんが体幹バランスがない状態では、車椅子をつかみ損ねたら床に落ちるのは必須。恐怖を感じつつ15分ほど躊躇したのち覚悟を決めて更に手を伸ばして、半分落ちる様になんとか車椅子に乗り移ることができました。
一仕事終えて朝だというのにしばらく黄昏ていました。
誰かがベッドから落ちないうちに改善してほしいものです。

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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