インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザーがセルフのガソリンスタンドに挑戦してみた

車椅子ユーザーのセルフガソリンスタンド初挑戦

 アメリカ映画を見ていると、昔からガソリンスタンドはセルフ式で給油の後、店内で清算する時、ドーナッツやコーラを一緒に買うのがいかにもアメリカだなと思ってました。日本でも消防法の改正でセルフ式が解禁されて20数年、街道沿いのスタンドはほとんどがセルフ式といっても過言ではないでしょう。僕の住む街でも有人のスタンドは数件となりました。

セルフ店が増え始めた頃の話。外出先からの帰り道、ガソリンの残量が少なくなってきて車内のパネルには「走行可能距離:20km」と表示されていました。ここまで通り過ぎてきたスタンドは全てセルフ店、確かもう少し先には有人店があったはず。そこまでは行けるだろうと思ってました。お目当てのスタンドが近づいてきたときの距離表示は5km。なんとかもったなとホッとしたのも束の間、目に入ったのは明るく照らされたセルフの看板。リニューアルされてる!気を落ち着けつつ記憶をたぐり最寄りの有人店へ。たどり付いた時の走行可能距離は0km、冷や汗ものでした。
そしてセルフ店初体験は突然やってきました。横浜からの帰り道、この時も街道沿いはセルフ店ばかりでしたが高速道路に乗ればサービスエリアのスタンドは有人だろうと安心していました。場所は忘れましたがとあるサービスエリアのガソリンスタンドへ入ってみると、なんとセルフ。時刻は深夜。スタンドまわりには誰もいません。なんとか自分でやってみるしかない。

車椅子でも給油はできた。でも改善点はたくさんある

運転席から車いすに乗り移り給油スタンドに近づき観察。ノズルの位置、操作パネルの高さ、操作方法、支払方法を確認、何とかなりそう。給油ノズルを左手に取る、意外と重い。片手にノズルを持ち四苦八苦しながら自動車の給油口まで移動、給油口のふた先に開けとけばよかったと思いつつなんとかノズルを給油口に突っ込みグリップを握り給油開始。給油が終わりノズルを抜いてガソリンが垂れてないか気にしつつジタバタと移動しノズルを戻す。パネルに手を伸ばして操作してると店員さんが走って近づいてきた。「インターホンで呼んでもらえればお手伝いしたのに」的なことを言ってましたが、そもそも人がいるとは知らなかったし、呼び出しボタンは何処にあるの?ほとんど終わった頃に現れてもねえ、と思いつつ初めてのセルフスタンド終了。
 このとき学んだ大切なこと、「給油スタンド前に書かれた停車枠にとらわれることなくなく、給油ノズルと給油口の位置を合わせて車を停める」これができれば車いすでも割と楽に給油できます。何事も枠からはみ出てみることが問題解決の秘訣かも(笑)。

車椅子ユーザーのセルフガソリンスタンド初挑戦

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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