インクルーシブコラム

障がい者の生活にある不便とユニバーサルデザイン

車椅子ユーザーが感動したバリアフリーな富山の路面電車

感動的なバリアフリー。フラットな路面電車

昨年富山へ行った時、富山市内を走る路面電車に乗って海まで行きました。
海まで行ったと言いつつ、目的は路面電車に乗ること。
以前から路面電車に乗りたかったので、事前に軽く調べて岩瀬浜まで行く路線が良さげだなと目星をつけ、当日を迎えました。
その時の富山駅は改装の終盤で北口の仮乗り場が始発でした。
乗り場と言っても屋根とベンチはありますが、歩道との区別はなく、時刻表だけが乗り場としての主張をしていました。
歩道と軌道の段差は10cmほど。 いくら超低床とはいえこの高さだとスロープが必要になるのかなと想像していると、地を這うようなシャコタン車両が到着。
スロープなんて全く必要のない乗り場と車体の見事なフラット具合に感動しつついざ車内へと思うと、一緒に待っていたおばあちゃんが「車椅子なら出口から乗った方がいいよ」と親切に教えてくれました。進行方向に対して後ろ側が入り口、運転手さんがいる先頭側が出口。降りる時に料金を払うのは路線バスと同じ。車内は超低床の通路両サイドに座席、そこから30cmほど高い所にも座席、おそらく車輪の上になるのではないかと 。
待てよ、そうすると左右の車輪をつなぐ車軸はどこ?
この辺りが超低床を実現する鍵のようです。車のシャコタンの乗り心地は期待できませんが、このシャコタン路面電車は驚くほど静かです。やはり足回りがポイントなのかな。
ほんの数分で次の乗り場に到着、ドアが開くとここも見事なフラット。そして電車と車が並走する道路から専用軌道に入りスピードもアップ。弱冠、揺れが大きくはなりますがあのシャコタンからは想像できない乗り心地。くわえて驚くことに、すべての乗り場がフラット、しかも乗り場にも段差はなさげで感動的です。
後で調べてみたら港と都市中心部を結ぶJRが廃線になるとき、第三セクターとして引き継ぎ、徹底してサービスを向上させたそうです。

  • ・路線を延長して富山駅に接続
  • ・全車両、全乗り場のバリアフリー化
  • ・運行数の増便
  • ・終電の時刻を遅くする

利用者が減った路線に対してこれだけの対策をするのはものすごい勇気。結果は高齢者や観光客の利用者が増えコンパクトシティの成功例として国内外からの視察も多いそうです。
いろいろ勉強になった。しかし、一つ後悔することもわかりました。富山駅から岩瀬浜までは往復路面電車に乗ったのですが岩瀬浜と市内中心部の環水公園を結ぶ船があったのです。しかも途中には船のエレベーターと言われる閘門があり、そこを通過するとダムカードもらえるというのです!(ダムカードについてはまたの機会に)まあお楽しみは次回にということで。ちなみに環水公園内には世界一美しいスターバックスに選ばれたことのあるお店があります 。

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ディーさん

脊椎損傷、車椅子運転歴36年

車椅子ユーザーのディーです。
車椅子だから感じること、
車椅子だから見えること、
などなど
日々感じたことを綴ってまいります。

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